ゴミ分別細分化による処理費用大幅削減で「快適環境」を実現
阿南市中心部にある阿南工業高等専門学校は、5年一貫教育により実践的技術者を養成し、日本全国に優秀なエンジニアを輩出してきた国立高等教育機関。835名(令和2年5月1日現在)在籍する学生は本科(機械・電気・情報・建設・化学)5コース、専攻科(機械システム・電気電子情報・建設システム・応用化学)4コースで学んでいる。特徴は、約半数の学生が、学校敷地内に併設された寮生活を送っていること。今回は、この寮から出るゴミ分別削減の取り組みを紹介する。
以前はほとんど分別せず、産業廃棄物業者に
平成29年度後期に設立された環境委員の学生達は、まず、徳島県上勝町にあるゼロ・ウェイストアカデミーを訪れた。同町は、2003年までにゴミをゼロにする「ゼロ・ウェイスト宣言」を日本で初めて行った極めて先進的な町で、45区分に分別し、ゴミがお金に変わっていた。平成31年の同町のリサイクル率はなんと81%というから驚き。また、前事務局長を学校に招き、ゴミ問題についての講演を聞いたりもした。
いよいよ、ゴミ収集方法を変更し、ゴミ削減を開始
平成29年度までは、大きく可燃物、廃プラ、混合という分別のみであったが、平成30年度からは、24種類に分別。寮内のいたるところにあったゴミ箱は撤去。全5棟ある居住棟の収集場所1カ所にいったん集め、全体の集積場に集める方法にした。また、衣類、生ゴミ等は学生自身が集積場まで持ち込む方式に変更し、分別とともにゴミを減らす意識を高めるようにしたそうだ。
環境委員長はじめ、環境委員の組織的な取り組みで、
ゴミ処理費用は年間約80万から20万円に!
「学生寮から出るゴミは、生活ゴミなので、阿南市に相談、収集してもらうなど、ゴミ処理費用は1/4に削減できました。削減できた約60万円で、寮で不足していた洗濯機や乾燥機を購入しました。今後より一層、寮の生活環境を快適にするために、課題はたくさんありますが、学生皆さんと話し合いアイデアを出し、頑張っていきたい」と環境委員長の丸山さんは語ってくれた。
このような取り組みが認められ阿南高専明正寮は「とくしま環境賞」を令和2年7月1日に受賞した。
ごみ削減取り組み前の集積場
ごみ削減取り組み後の集積場
機械コース4年生 環境委員長 丸山賢人さん
県知事からとくしま環境賞を受ける 初代環境委員長 本田遼馬さん
阿南工業高等専門学校
徳島県阿南市見能林町青木265
TEL:0884ー23ー7100